ごあいさつ

第17回日本がん分子標的治療学会 学術集会
会長 戸井 雅和
京都大学大学院医学研究科
外科学講座 乳腺外科


第17回学術集会を担当させていただく京都大学の戸井雅和でございます。今回このような機会を与えていただき誠にありがとうございます。宮園浩平理事長、曽根三郎前理事長、河野公俊第16回学術集会会長、役員、評議員、会員の方に、心より感謝を申し上げます。

第17回日本がん分子標的治療学会学術集会は2013年6月12日(水)〜14日(金)、国立京都国際会館での開催を予定しております。ご多忙のことと存じますが、ご予定の程、宜しくお願い申し上げます。

分子標的療法は大きな発展のまっただ中にあり、新規の治療標的に対する薬剤、新たな作用機作の薬物、新しい治療コンセプトなどが次々と出てきております。毒性軽減においても進展がみられます。その一方で、ヒトがん細胞の多様性、不安定性は想像以上のもので、非常に不均一、ダイナミックに変化することが分子遺伝子レベルで認識されるようになりました。これは、治療対象の選択、治療の個別化、耐性の克服等を考慮する上で極めて重要であり、治療法の構築、最適化に大きな影響を与えます。腫瘍の生物学的特性と治療に伴う変化の観察、宿主の状態と治療に対する反応の分析は、治療法開発と個別化を進める際に、必須であることを示唆していると思います。

このような観点から、新規治療標的探索、分子標的薬開発の最先端、最前線をレビューしてゆき、それらの可能性、実力や将来性について考えるとともに、現状における課題、unmet needsについても明らかにできればと思っております。また、コンパニオンアッセイ、効果予測、予後予測、毒性の予測、がんの病態、動態の分析など、予測とモニタリングに関する討議を深めたいと思います。

さらに、治療耐性克服のための戦略、複数の標的薬を用いる併用標的療法や、個別化治療の時代における臨床試験の組み方や進め方、解析手法等についても最新情報を得る機会を設けたいと存じます。

創薬、育薬の研究者、臨床試験の専門家、診断、イメージングのエキスパート、分子標的療法の開発に関わる様々な方々が膝を交えて意見交換ができ、若手の研究者医師も気軽に参加できるような場を準備したいと考えています。

四季折々が楽しめる京都ですので、多くの方々にご参集をいただきますよう、お願い申し上げますとともに、参加されたことのない研究者や臨床医の方にもお声がけをいただければ幸甚です。

交流の輪がひろがり、活発な会になるようにつとめてまいりますので、ご指導、ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。